TOEIC向けの単語は、日本語訳だけを一つ覚えて終わりにしません。発音、品詞、文型、よく一緒に使う語、自然な例文、言い換えまで結び付けると、ListeningとReadingの両方で意味を取りやすくなります。
先に結論:一度に覚える語数を増やすより、「見て分かる」「聞いて分かる」「文の中で関係が分かる」の三段階で確認します。忘れた語だけを短い間隔で見直し、復習できる量へ調整してください。
単語を日本語訳だけで覚えると、なぜ使いにくいのか
一つの英単語に一つの日本語訳を固定すると、文中で形や意味が変わったときに対応しにくくなります。たとえば available は、人の予定、商品の在庫、設備の利用可否など、何が利用できるかによって自然な訳が変わります。
The conference room is available after 3 p.m.
会議室は午後3時以降に利用できます。
Ms. Lee is not available this afternoon.
リーさんは今日の午後、都合がつきません。
どちらも available を使いますが、同じ日本語に置き換える必要はありません。主語と場面を見て意味を取ることが大切です。
新しい単語は5項目で覚える
- 発音を聞く
見出し語の音声を聞き、自分でも発音します。つづりだけで覚えると、知っている単語でも音声では気付けないことがあります。 - 品詞と語形を見る
名詞、動詞、形容詞、副詞のどれかを確認します。apply、application、applicantのような語族は、形と文中の位置を一緒に整理します。 - 文型と前置詞を確認する
動詞なら目的語を直接取るか、前置詞が必要かを見ます。apply for a position(職に応募する)とapply a rule(規則を適用する)では、後ろの形と意味が異なります。 - コロケーションで覚える
単語単独ではなく、meet a deadline、submit an application、annual feeのような自然な組み合わせで残します。 - 短い例文で意味を確かめる
誰が何をする文か、一度で分かる長さを選びます。理解できない長文を丸暗記する必要はありません。
類義語と言い換えは「違い」もセットで覚える
TOEICでは、音声や本文の表現が設問で別の言い方に置き換えられることがあります。ただし、似た語がどの文でも入れ替えられるわけではありません。意味だけでなく、語法と使用場面を比べます。
The store will begin renovations in August.
その店は8月に改装を始めます。
The company will initiate a review of its safety procedures.
会社は安全手順の見直しを開始します。
begin は幅広い場面で使えます。initiate は、手続きや計画を正式に開始する場面に合いやすい語です。「始める」という訳だけで同じ語として扱わず、何を始めるかまで確認します。
例文音読と復習の進め方
1回の学習
- 音声を聞き、見出し語を発音する
- 品詞、意味、前後の語を確認する
- 例文を意味のまとまりごとに音読する
- 見出し語を隠し、音または例文から思い出す
復習の間隔
覚えた直後、翌日、数日後、一週間後を目安に見直します。すべての語を同じ回数だけ復習せず、すぐ思い出せる語は間隔を広げ、間違えた語は早めに戻します。
復習間隔は固定の正解ではありません。忘れやすい語、学習に使える時間、受験日までの期間に合わせて調整します。一日の新出語を増やしすぎて前日の復習ができない場合は、量を減らしてください。
間違えた単語は「理由」を記録する
| 記録する項目 | 例 | 次の復習 |
|---|---|---|
| 単語・表現 | be responsible for | 前置詞を含めて音読 |
| 間違えた理由 | responsible to と混同した | 後ろに人か業務かを確認 |
| 実際の文 | She is responsible for staff training. | 主語を変えてもう一文作る |
| 言い換え | be in charge of | 語調と文型の違いを比べる |
単語帳へ印を付けるだけでも構いません。別のノートを作る場合は、きれいにまとめることを目的にせず、次の復習で迷わない情報だけを残します。
Partによって注意する語彙は異なる
Part 1
人や物の位置、動作、状態を表す語に注意します。似た音の語より、写真に合う主語と動作の組み合わせを見ます。
Part 2
質問語だけでなく、依頼、提案、確認といった発話の意図を表す言い方を学びます。同じ単語を繰り返さない応答もあります。
Part 3・4
予定変更、問題、理由、次の行動を表す語句をまとまりで聞きます。設問の表現との言い換えを記録します。
Part 5・6
意味に加えて品詞、語形、前置詞、接続関係が重要です。見出し語だけでなく、文中の位置を確認します。
Part 7
メール、広告、記事、案内などで使われる語と、文書の目的を表す表現を学びます。本文と設問の言い換えにも注意します。
全Part共通
業務、店舗、移動、施設、採用などの場面語彙を、登場人物と目的に結び付けます。
初心者と中級者で学び方を変える
初心者
基本語を優先し、発音と品詞を必ず確認します。一日の新出語を抑え、短い例文を正確に理解します。単語帳は一冊に絞り、分からない文法は基礎教材へ戻ります。
中級者
知っている語の多義、コロケーション、派生語、言い換えを広げます。Part別演習の誤答から学ぶ語を選び、読む・聞く速度の中で思い出せるかを確かめます。
単語帳は用途から選ぶ
公式例文と広い収録範囲を重視するのか、スコア帯に沿って範囲を絞るのか、音声やアプリをどこで使うのかを比べます。複数冊を一周するより、一冊の例文と音声を復習できる状態にする方が学習内容を管理しやすくなります。
よくある質問
一日に何語覚えればよいですか。
一律の適量はありません。翌日に復習でき、例文まで確認できる量にします。新出語を増やすと前日の語が残らない場合は、語数を減らして復習へ時間を回します。
書いて覚える方がよいですか。
つづりを間違えやすい語には有効ですが、すべてを何度も書く必要はありません。TOEIC L&Rでは音と文中の意味も必要なので、音声、音読、問題演習を組み合わせます。
日本語訳を見ず、英語だけで覚えるべきですか。
初心者は短い日本語で意味を確認して構いません。ただし訳を一つに固定せず、例文の場面と前後関係も見ます。慣れた語は、英語の説明や別の例文へ広げます。